結論
世界的にヨガの人気が高まっている中で、その効果を科学的に検証する動きが活発化しています。世界中の研究チームが様々な種類のヨガを研究しているが、それらの研究結果から、ヨガはうつ病の治療に効果的な方法であるということが示されています。
中でも、ビクラムヨガについて研究したMaren Nyer博士は、用量反応効果が確認されたことを明らかにしました。つまり、ヨガをすればするほど、うつ症状が低減されたということです。また、ヨガには治療抵抗性うつにも効果があることが確認されています。
もちろん、ヨガは万能薬ではなく、うつ症状を改善するための補完的な手法です。しかし、これまでの研究結果に基づくと、多くの可能性があると言えそうです。
この手法を実践するときのコツ
今回は、うつ病の軽減に効果があるとされているハタヨガのやり方について紹介します。ハタヨガは、身体運動、呼吸、瞑想に焦点を当てたヨガです。それでは、ハタヨガのポーズを2つ紹介します。まずはコブラのポーズです。
- うつ伏せの状態で横になります。
- 両腕を曲げて、両手を胸の横につけます。
- 肘を後ろに向けて、脇を締めます。
- 脚を腰幅に開いて、足の甲を床につけます。
- 頭を前から引っ張られるような感覚で、背骨を伸ばします。
- おでこを床につけます。
- 息を吐ききります。
- 息を吸いながら上体を反らします。
- 顔は正面を向けてキープします。
- お尻を締めて、恥骨を床に押し付けます。
- この状態で5回呼吸します。
- 腕を緩めて、おでこをゆっくり床に戻します。
- 8~12の手順を数回繰り返します。
次の4つのポイントに気をつけるとうまくできます。
- 背中を反らし過ぎないこと。
- 恥骨は床から離さないこと。
- 反る時に頭で背骨を前方向に引っ張る感覚を持つこと。
- 上体を反らしてキープする際は、肩甲骨を寄せて胸を張る意識を持つこと。
続いて、ねじりのポーズです。
- 脚を前に伸ばして座ります。
- 左膝を立てて、右膝の外側に左足の裏をつけます。
- 右腕を天井に向かって伸ばします。
- 息を吸いながら上半身全体を引き上げます。
- 息を吐きながら右腕を身体の前を通し、右肘を左膝に引っ掛けます。
- 左手は身体の左後ろに置きます。
- 背筋を伸ばした状態で、ゆっくりと5回呼吸します。
- 吐く息ごとにねじりを深めていきます。
- 5回呼吸した後、ゆっくりとねじりを解きます。
- 反対側も同じように行います。
次の2つのポイントに気をつけるとうまくできます。
- 背中が丸まらないようにする。
- 呼吸の時の腹部の動きに集中する。(内側からマッサージされているような感覚です)
これらをやれば気持ちがスッキリするのでおすすめです。
セッション内容の紹介
セッションが行われたコンベンション | the 125th Annual Convention of the American Psychological Association |
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コンベンションが開催された年 | 2017 |
引用元 | A session on yoga at the convention |
セッションの概要
世界中でヨガの人気が高まっています。しかし、ヨガの効果に関する科学的な研究はその人気に比べると遅れています。そのため、現在多くの研究チームが様々な種類のヨガを研究していっています。そうした研究の中で分かってきたことは、やはりヨガはうつ病の治療に効果的な方法であるということです。
中でも、ビクラムヨガの効果を研究したMarenNyer博士は、用量反応効果が確認されることを明らかにしました。つまり、ヨガをすればするほど、うつ症状が低下するということです。これは、慢性的な治療抵抗性うつ病の患者にも有効であることを示唆しています。
ヨガはあくまで治療の補完的な手段ですが、他の治療方法と組み合わせて使うと非常に効果的です。ヨガは万能薬ではありませんが、これまでの研究結果に基づくと、多くの可能性があると言えるでしょう。
このセッションに関する私の見解
うつ病やストレスを抱えている人は自律神経のバランスが崩れがちになります。一方、ヨガでは呼吸に意識を向けて、腹式で呼吸を深く行います。実は、そうして深く呼吸を行うことは非常に有効です。なぜなら、息を吐く時には副交感神経が刺激されるからです。人は、副交感神経が刺激されることで心身のリラックス度を高めることができるのです。こうした観点からも、やはりヨガには抑うつ効果がありそうですね。
また、ヨガにはうつ病の症状を軽減するだけでなく、他にも効果が確認されています。例えば、ビクラムヨガには下記のような効果があります。気になる方はぜひ試してみてください。
- 身体機能を改善する
- 認知能力を改善する
- 悲観的思考をよりポジティブにする