目標達成テクニック:模倣したい行動をとっている人のやり方を真似る(University of Pennsylvania, 2020)

習慣

研究の目的と背景

多くの人は、自分で設定した目標であっても、その目標を達成するのに苦労している。
その一因は、目標へのアプローチ方法に関する情報の不足にあることがこれまでの研究によって明らかになっている。
そして、メンターをつけることによってこの問題を解決することができるということもわかっています。
しかし、適切なメンターを持つことはしばしば困難であり、場合によっては裏目に出ることもある。
そこで、今回の研究は目標達成率を高めるための新しい方法をテストした。

研究方法

研究のタイプランダム化比較試験
実験対象1,028人の男女
実験概要
  1. 参加者に直近1週間に何時間運動したかを尋ねた。
  2. 参加者を無作為に3つのグループに分けた。
  3. それぞれのグループに異なる条件を与えた
    • グループ1
      参加者に、運動するために行っている効果的な戦略を参加者の知り合いから聞いてもらった。
      また、それを真似するよう指示した。
    • グループ2
      グループ1で挙がった方法を、研究者がグループ2の参加者に教えた。
      また、それを真似するよう指示した。
    • グループ3
      グループ3の参加者には運動に関して特に何も指示しなかった。
  4. その後の1週間の運動時間をグループごとに調べた。

研究結果

  • うまくやってる人の戦略を聞いて真似するのが、新しい習慣を身につけるのに有効だ。この研究では、知人の戦略を聞いて真似することをコピーペーストプロンプトと呼んでいる。
    • グループ1は、グループ2よりも32.5分多く運動していた。
    • グループ1は、グループ3よりも55.8分多く運動していた。
  • 男性は女性よりもコピーペーストプロンプトを受けることで、より多くの恩恵を受けている。
  • コピーペーストプロンプトが有効な理由
    • 知り合いが教えてくれたテクニック自体に効果がある
    • 仲間がわざわざ自分に教えてくれたということがモチベーションにつながる
    • 自分から能動的に教えてもらったということがモチベーションにつながる
    • 教えてもらった後も、教えてもらったことについて仲間と話すとモチベーションにつながる

考察

知り合いの戦略を真似るという方法をオススメする理由には、他にも以下のようなものがあります。

  • 模倣したい行動をとる仲間を選択することで、情報がよりカスタマイズされ、自分にあった目標達成の手段を作ることができます。
  • 積極的に自分で情報を探すことは、受動的に同じアドバイスを受けた場合よりも、目標達成手段をより自立して実行できます。
    人は自分でデザインしたりカスタマイズしたりものにより価値を感じます。

リファレンス

参考論文Angela et al., 2020
研究機関University of Pennsylvania
掲載ジャーナルthe Association for Consumer Research
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