水の景色を眺めながら暮らすと、心理的苦痛を軽減させられる(University of Canterbury et al., 2016)

メンタル強化

要点

水の景色を眺めながら暮らす人々はより良​​いメンタルヘルスを持っていることが発見されました。
研究によると、その効果は、窓から自然の緑の景色を眺めるよりも優れているそうです。
水の景色を見ることが増えると、特に心理的苦痛のレベルが低下します。

この手法を実践するときのコツ

家から海や川など水の景色が見える場合は、それを眺める頻度や時間を増やしてみると良いです。
また、家から水の景色が見えない場合は、水の景色の写真や絵を部屋に飾ると良いでしょう。さらにそれも難しい場合は、スマホやPCの壁紙を水の景色の写真にすると良いでしょう。
できれば、人工的な水の景色でなく、自然の中にある水の景色を見た方が効果は高いです。
また、水の景色だけでなく、緑の景色を見ることでもメンタルヘルスの改善はできます。オススメの使い分け方法としては、普段は緑の景色を見て、何か嫌なことがある時は水の景色を見ると良いです。それは、水の景色を見て得られる効果の中で最も顕著なのは、精神的苦痛の軽減だからです。
また、実は緑の景色を見ることによるメンタルヘルス向上効果の方が多く報告されています。なので、緑の景色を見て効果を得られる可能性は高いと考えられます。緑の景色を見る手段としては、例えば、40秒間芝生の屋上をちらっと見るだけでも効果があります。それだけでも驚くほど精神的メリットを得られることが分かっています。非常に簡単な方法なので、ぜひ試して見てください。

研究内容の紹介

研究機関University of Canterbury et al.,
掲載媒体Health & Place
研究が発表された年2016
引用元Nutsford et al., 2016

研究概要

この研究の調査は、ニュージーランドのウェリントンで行われました。ウェリントンは、南は太平洋に囲まれ、北はタスマン海に囲まれています。つまり、水の景色が身近にある環境です。研究者は、被験者たちの性別、年齢、富などの様々な要因を考慮に入れましたが、それでも水を見ることと良好な精神状態との間に関連性があることが分かりました。
また、同じ効果は緑を見るのでは見られませんでした。しかしこれは、青の空間はすべて自然だったのに対して、緑の空間には、運動場や遊び場などの人工的な緑の領域が含まれていたからかもしれません。研究者によると、原生林で実験すると緑の景色でもまた何か発見できるかもしれないとのことです。

この研究に対する私の見解

緑の景色を見ることによるメンタルヘルスの改善効果は今までもたくさんの研究で報告されています。しかし、青の景色、つまり、水の景色を見ることと精神的幸福との関連はあまり報告されてきませんでした。そのため、今回の研究結果は大変貴重であると言えるでしょう。

水の景色を見ることによって効果が得られるのは、色にも要因があるかもしれません。色は人の心理に影響をもたらします。たとえば、赤色は交感神経に刺激を与えるとされているため、脈拍や血圧が上がるというような興奮を促す効果があります。また、黄色は脳の活性化につながるとされているため集中力アップの効果が期待されます。そして、青色は心を落ち着かせる効果があります。つまり、青色が冷静さをもたらして心身の興奮を収めるので、精神的にも安定した状態を生み出しやすくなるのです。

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