研究の目的と背景
人間の脳には相手の社会的ステータスを見積もるシステムがプログラムされています。
そして、社会的なステータスを判断するための基準は状況やコミュニティによって変わります。
なので、通常、同じ人でも状況や変化に応じて社会的ステータスが変わります。
しかし、中には、状況やコミュニティが変化しても社会的ステータスを高く保ち続けている人もいます。
過去の研究によると、そうした常に社会的地位の高い人が持つ特性は社交性だと言われています。
今回の研究は、社会的なステータスを高める特性が何かをあらためて調べました。
研究方法
研究のタイプ | 観察研究 |
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行なった実験の数 | 2つ |
実験対象 | 9歳から12歳の子どもたち 最初の研究では、女児306人と男児305人が対象。 2つ目の研究では、女児363人と男児299人が対象 |
実験概要 |
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研究結果
- 社会的なステータスと最も関係がある特性は、一緒にいて楽しいという特性である。
- 一緒にいるのが楽しいと思われる人は、一回目の投票から8週間後の投票で次のような傾向が見られた。
- 社会的ステータスがさらに向上する。
- 一緒にいる楽しさのレベルもさらに高まる。
考察
- 社会的ステータスを高めたい場合は、自分といると楽しいと思われるようになるのが効率的かもしれません。
- 一緒にいて楽しい人には次のような好循環が生まれる。
- 一緒にいると楽しいので社会的ステータスが高まる。
- 社会的ステータスが高まったおかげでさらに一緒にいて楽しい人になる。
- この研究によると、楽しい人は、以下の特徴を持った人のことだと考えられています。
- メンタルの柔軟性が高い
- 好奇心が旺盛
- 外向的
- 神経症傾向が低い
一言で言えば、自分のエゴをきちんとコントロールして、ストレスの多い状況に対処できる人です。
リファレンス
参考論文 | Brett et al., 2020 |
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研究機関 | Florida Atlantic University et al. |
掲載ジャーナル | Personality |